「確認」した?

人生で大切なことは、自身での「確認」である、という心情の元、気になったもの・ことへは、全力で駆け寄って行きます。

「時事能力検定」の勉強をしていたら、近代日本史の分からなさに絶望して「昭和史」を読んでみた

f:id:orange_blog:20200524094025j:plain

 

とは言え、
満州事変とか、
盧溝橋事件とか、
パールハーバーとか、
日独伊三国軍事同盟とか、
もはや戦後ではないとか、
吉田茂とか、
義務教育以降、全然勉強をした記憶がない近代日本史でも(高校の日本史は戦国時代で終わった)、
家族がしょっちゅうNHKドキュメンタリーを観ていたので、断片的にはしっかり記憶にはあったのですよね。
でも何て言うか、自分の中でそれらが全然一本の線で結ばれていないもどかしさを、長年ずっと抱えていたと言うか。

www.nhk-ondemand.jp

気付くと近代ヨーロッパ史の方がまだ分かっていた

身近にドイツ近代史好きな人がいたことと、NHKの「映像の世紀」を筆頭に、ヨーロッパの関連の映画や本の方を読んでいたこともあり、ヨーロッパ史の方がまだ分かっているのでは…とふと思ってしまったのです。

ヨーロッパ史にしろ、日本史にしろ、現在存在する制度等は、過去から連綿と繋がっていることなので(過去の教訓等から制度が生まれたりしている)、「現在」を知るにはやっぱり歴史の流れを知る事が必要不可欠なのだと思い立ちました。

あと純粋に、例えば他国の人に自国の事(歴史や政治)を聞かれた時に、全然答えられない自分は嫌だなー…と思いまして。
今回の時事能力検定の勉強を機に、おすすめされていた近代日本史本、「昭和史」(戦前戦中・戦後)半藤一利著の2冊を読んでみた次第です。

半藤一利著「昭和史」(戦前戦中・戦後)はムチャクチャ分かりやすかった…!

「~だったんですよね、」などの、話し言葉に近い体裁で書かれているのでとても読みやすかったです。

ちょこちょことユーモアも交えて書かれているので全然堅苦しくなく、教え上手な先生の授業を聴いているような感じで読み進められます。
読んでいると、時事能力検定の問題集と関連する出来事が出てくる出てくる。
なるほどー、そこはそうゆう繋がりだったかー、と膝を打つ事もしばしばあり、バラバラだった知識が「繋がって来た感」がものすごーくありました。

また、近衛文麿さんの件などは、以前観たドキュメンタリーでは悲劇の首相っぽく描かれていたのですが、このかたの著書だと、色んな意味で、仕事ができるひととは言い難かった、というような扱いでしたので、やはり情報源はひとつに絞らない方が良いと思いましたよ。

著者は「文藝春秋」などで編集の仕事をしていたようなのですが、
戦後~高度経済成長までの極彩色に彩られたような昭和という時代、メデイアの最前線に居るとはどうゆう感じだったのだろう、と思わずにはいられません。

歴史は繰り返す…の…か…?

  • 重要な局面でハッキリとした意思決定ができない軍部と内閣
  • ゆえに誰も責任をとろうとしないまま、重大決定をしてしまう
  • 世論に押されるとそこから引き返す勇気が上層部にはない
  • 方針が間違っていたと気づいていても、誤りを認めることが負けだとなぜか思っている
  • 世界情勢が見えていない(情報をキャッチアップできていない)
  • たぶんアメリカやソ連はこう動くはず、などという根拠のない希望的観測から物事を決定している
  • 理想論や精神論といった、根拠がない状態で物事を進めようとする
  • 各所でいがいがみ合って互いに足を引っ張り合い、外交などに失敗している

…というのが、戦前戦中の状態だったようなのですが、
れれれ、これ一部どこかで見た(というか、現在も見えている)図式じゃないですかね…?…と…。

しかも、当時昭和天皇が不在だったらこの国はどうなっていたんだろう、と思わずにもいられませんでした。
特に終戦辺りの超重大局面の決定は常に内閣や軍部では決めきれず、天皇陛下の意思を伺い、その決定はことごとく時節的に正しい選択だった…ような気がするのですが…

この著書を読んだ限りでは、国の最大の良心、という感じがしてしまったのですがどうなのでしょう。
(※…なのですが、あくまで半藤さんの著書しか読んでいないので、また別のかたの著書も読んでみる必要もあると思っています。)

そうして、
国や地域は問わず、一人ひとりは全然まっとうな人間ではあるのだが、多く集まるとどうしようもなくなる(事がある。主に戦争やそれに付随する様々な行為という点に於いて)、とは「スペインうやむや日記」での堀越千秋さんの言だったかなと思うのですが、戦争に向かって行った日本は正にその「どうしようもなくなった状態」だったのではないかと思えてしまいました。

でもだとしたら、「国(人が集まって成り立つもの)」ってどうして行けば良いのですかねとも…。 

ともあれグローバルだなんだと言うならまず近代史なのでは

高校日本史と言わず、寧ろ義務教育時から
明治

大正

昭和

平成

ネアンデルタール人とかに戻る
で良いのになーと思っております。

戦国時代や安土桃山や江戸時代もとても興味深いのですけれど、そこよりもっと密接に現代に繋がっている
近代史!大事!絶対!と思うのですがどうでしょうか。

義務教育で近代史の知識が止まってしまっているかたに「昭和史」はおすすめ!

コロナ渦という世界全体の緊急時に於いて、現在の政府や国の仕組みを知るために、過去の歴史を紐解く事は重要なのではないかと思います。

そこから得られる教訓や、今どうしてそうゆう仕組みになっているのか?などを、知った上で、生き辛い部分や、納得できない方針に声を上げる事により、変えられる事もあるかもしれません。

あ。もちろん、当初の目的であった「時事能力検定」の勉強にも充分役立ちますよ~。