デッサン教室の先生の個展が行われたので、千葉県四街道の「ギャラリーハルジ」さんへ行ってきました。
ちょっと遠いのだけれど、と先生は言っていたが、知らない街へ行くわくわく感はとても好きなので問題なし。
都内は過去のメッセンジャー業のおかげで、知らない風景がほとんどないのですよね。
しかも電車移動だと駅間って空白になりがちですが、そこも余すことなく繋がっているという…。
職業病です。
千葉県四街道は都内から電車で1時間弱(羽田空港そば)。
ギャラリーは駅から徒歩約20分。
入場料無料。
オーナーであられる年配の女性は、上品でとても気さくに話しかけてくださるかたでした。
とは言えわたしは、
先生の絵がすごい好き!
というより、先生自身にも興味があるので(絵自体が好きなことが言葉の端々から垣間見える、「絵を描く」という行為がとても素敵だと思わせられる、絵を教える際、すごい適切に言語化がされる)、そのオーナーさんとはちょっと見ている方向性が違うのだと思った。
まぁそのあたりも含めて、自由に感じていれば良いと思うのですけれどね。
彼女がコーヒーを淹れてくれたので、座った椅子の正面にあった1枚の絵と向き合う形になったのですが、
人がほとんど居ない場所で、ぼんやり絵と向き合うって良いものですね。
すごい「自分と対話している」感。
手ぶらだと何となく手持ち無沙汰になり、早々に席を立ってしまうのですが、
コーヒーを飲み終わるまでは座っていよう、
という口実が自分の中にできる感じがちょうど良かった。
現代は隙間時間を埋めようとし過ぎなのだと思っています。
もし自分に余裕がある状況で、そこに隙間時間があるなら、ただぼーっとしたって良いじゃない。
何もせずに一処に座る、という行為を自然体でできるようになりたい。
帰り際に入り口脇の本棚に目に止まり、30分くらい本を読ませてもらったのですが、
その間、
年配の夫婦、
小学生の子供を連れたお父さん、
若いカップルなどが次々来館。
当初こういったギャラリーにはどれくらいの人が訪れるのかと思っていたのですが、
どっこい、近所の皆さんがものすごーく自然に立ち寄っている感じがすごく良かった。
アートだ絵画だと言うと途端に敷居が高くなるのは、この国の芸術教育の罪なのではと思っているのですけれど、
そこを飛び越えて、地域のコミュニケーションの場としてもギャラリーが活用されるのはとても素敵です。
結局17時くらいにギャラリーを辞去。
行きは、街自体がいかにも地方都市で面白味があまりなさそうかな?とか思っていたのですが(すみません…)、
暗くなった街は明るい街より何倍も魅力的に見える不思議。
ギャラリーの印象が想像以上に良かったので、帰りの心持ちが180度変わった、ということもあるのでしょうけれどね。
もしこの先、大金を手にする機会があったなら、ギャラリーを開設したり、芸術家のパトロンになるも良いかも…とかしょうもない事を考えながら、ワクワク四街道の街を歩いていた土曜日でした。
「猫に学ぶ」を読んでいたら、先生の絵にも猫がたくさんいたのでとてもタイムリーでした。
西加奈子さんの「しずく」も猫本としておすすめ。