最初に彼女を見たのは、TBSドラマ「カルテット」のすずめちゃん役だ。
メンバーの中では小柄なのに、一番大きな楽器のチェロを弾く(持ち歩く)姿のアンバランスさや、
独特のファッションが素敵と思う。
「何か…、みぞみぞしてきました、」という不思議発言や、
家森さん(高橋一生)との微妙な関係性も、
大好きな真紀さん(松たか子)と別府さん(松田龍平)への献身とさえとれる健気さも忘れ難かった。
そんな彼女が、
「100分 de 名著」内で「アンネの日記」の朗読をする姿を観る。
そもそも「アンネの日記」は欧州大戦時下での暗いイメージしかなかったが、
実はアンネ自身が独特のユーモアセンスを持っており、
それに感心すると同時に、周囲や世間へのものの捉え方などがとても10代前半の女の子とは思えず驚く。
そんなアンネの感性と満島ひかりの朗読力が交わって、
「アンネの日記」を更に魅力的な存在としてくれた。
特に、隠れ家に住む住人とその協力者たち総出でジャムを作るシーン(アンネたちが逮捕される1ヶ月前のとても明るいシーン)などは、アンネ達の生命力が溢れ出ているように感じられ、見事としか言いようがなかった。
華奢な手首
細すぎる頬のライン
長い手脚
それなのに、満島ひかりのイメージは決して儚くはない。
どこかべったりと絡み付いて来て、心に引っかき傷を残すような感覚を彼女からは感じる。
そうしてその傷がどこかで忘れ難く、
それをまた作るために、これからも彼女の姿を追いかけてしまうような気がする。