「確認」した?

人生で大切なことは、自身での「確認」である、という心情の元、気になったもの・ことへは、全力で駆け寄って行きます。

今月の映画館での1本「アンネ・フランクと旅する日記」

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(※ネタバレを含みます)

相変わらず邦題どうにかならぬものか(「Where Is Anne Frank」という原題のままで良いのでは…)。

海外版トレーラーはこんな感じ。

www.youtube.com

興味深い時代背景な事と、キャラクター原案が「グラフィック版アンネの日記」のかただと思ったので、ムビチケで前売りを購入。
公開初日に行ってきました。

ちなみにこのグラフィック版は、コロナで初めての自粛期間中に医師のかた(ラジオ言説を聞き信頼できると思った)がTwitterで推しているのを見かけ購入。
コロナ感染を防ぐため外に出られない=アンネたちの潜伏状態となぞらえての呟きって、当時結構ありましたよね(ネットも何もない時代、2年間も潜伏していたんなんて!)

グラフィック版は、画面構成や日記内容の描き方がどこかデザイン的でとても素敵です。

ところで「アンネの日記」というタイトルは誰でも知っていると思うのですが、実際読んだかたっておられます?
わたしは、普通の女の子が書いた普通の日記(その子が収容所で亡くなったという悲劇性で有名になった)と思い込んでいたので、それまで手に取った事はなかったのですが。
それがグラフィック版を読み、更にNHK「100分de名著 アンネの日記」を観て、13歳だったアンネが冷静に社会や周囲の大人たちや自分自身を見つめていた事や、そんな中でもユーモア溢れる文章を書いていた事に衝撃を受けたのでした(朗読者の満島ひかるも恐ろしく上手い)。
アンネがもし生還できていたら、本当に有名な作家やジャーナリストになっていたのではないかと思います。

www.nhk.or.jp

…と、「アンネの日記」について、普通以上には予備知識を持っている状態で観た感想は以下です。
(もしかしてパンフには疑問の答えが書いてあるのかもしれない…と思いつつ。)
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  • キティー(アンネが日記を書く際、親友として設定していた架空の人物)が主役というまさかの衝撃。
    その発想はなかった…。
  • 全体的に、アンネ本人の魅力(歳不相応の大人びたものの見方や、ユーモアある書きっぷり)を紹介しようとする訳ではないよう。
    何も知らずに見ると、アンネは感情を素直に表現できる子、として捉えられそう。
    でも海外では、日本よりはアンネの日記は読まれており、それらは知られている前提になっているのかなとも。
  • アンネの時代のドイツ兵の見た目を「人」として描いていない辺り、どこか異世界の出来事のようにも感じられる。
    戦争の悲劇性そのものを表現したい訳でないのかも?
    空爆も恐怖よりも、その光は一部綺麗、というイメージ。
  • アンネ・フランク学校、橋、博物館…と、アムステルダムの街の至る所に、アンネの名前が冠されている。
    アンネは日記で、
    「わたしの望みは、死んでからもなお生き続けること!(1944年4月5日)」(自身の作品がずっと残り続けるという意味と思われる)
    と書いていたが、アンネが望んだ「生き続けること」は、そんな意味ではなかったのでは、というちょっと皮肉まじり。
  • 真冬のアムステルダムの街を、アイススケート靴で移動するのが素敵(本当にそうなっているのか確かめに行きたい…)。
    街の背景や色合い、音楽もどこか幻想的。
    明るいシーンの作品全体の色使いがとても綺麗。
  • アンネにスケート靴を貸してくれる女の子ちゃんが可愛いよ。
  • 全体的に聞き取りやすい英語。
  • 警官のおっちゃんの「uh‐huh(アーハー)」という英語の口癖(?)が、おぉ、海外のアニメだ…と感じどこか懐かしい(CVも上手い)。
  • 全編に渡り、難民問題が取り上げられており、過去のユダヤ人の迫害のリアルさよりも、こちらを描きたかったからドイツ兵を「人」として描いていなかったのかな、という考察。
    アンネの時代から、世界は良くなっているのか?という問題提起と共に。
  • もっとアンネとキティのドラマチックな演出もできそうなのに、結構淡々としている(仲良しではある)。
    (途中でキティがアンネの元を離れてしまう理由が、一度観ただけでは分からなかった…。)
  • 最後日記を手放したキティがあっさり消えてendという…。
    (それに対するペーターの郷愁や後日談もなし)。
    だってそうゆうものだから、というあっさり感が逆に良い。
  • でも!日本版のトレーラーよ!
    最後のシーンまでも予告編にも入れてしまうのはどうなのか。
    他にも主要なシーン(“I am here.”と日記帳の柄を一緒に描いたバルーンを空に浮かべる )を予告編に詰め込むのって…。
    確かに音楽使いと共に、予告編としては大いに盛り上がるが、それなら本編観なくても良くない?と…。
    そいで日本版は、主にペーターとの恋愛的な要素が多いが、海外版は難民の子とのシーンに重きを置いているのかなとも(後者の方が伝えたいことと合致している気がする)。
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以上になります。
「アンネの日記」そのものの魅力も知ってほしい身としては、できれば「100分de名著 アンネの日記」を観てから映画館に行く事をおすすめします。
(「100分de名著」はアマプラのNHKオンデマンドへ課金すれば視聴可能。番組のまとめ本も出ているので、そちらでも)

 
当然原著を読んでも良いかと!

映画の公式サイトはこちらから。

happinet-phantom.com