どうも。
過去某二次創作品で、「児童文学を語ろう!」というコーナーを書いているかたがおられましてですね。
影響を受けたわたしは、そこで紹介されていた本を図書館で借りて読んだりしていたのです。
(児童ファンタジー文学が大流行した、ハリポタブームより全然前の時代ですよ~。)
紹介本の中に、ロバート・ウェストール著「海辺の王国」があり、久しぶりにまた読むかな…と思っていたら、同著者で「ブラッカムの爆撃機」という本もあるらしい、と知り今回はそちらを借りてみました。
…と思ったら、こちら宮崎駿さんが最初と最後にミニコミックを掲載しておりました。
これは宮崎駿さんが著者へシンパシーを感じてのコラボのようです(飛行機と戦争)。
ミニコミックは、作者の関連の土地を宮崎さんが訪れた旅のレポート的な内容で、
宮崎さん→豚(いつものやつね)
それ以外→犬
として描かれています。
どちらかと言うと「宮崎駿の雑想ノート」の雰囲気ですね。
ちょっとほの暗い水彩画で描かれおり、宮崎さんが描くこうゆう絵がとてもすきだな、と改めて思いました。
レポートは、その土地で作者と遭遇して会話をする…という内容なのですが(じっさいは会う事はなかった)、その雰囲気と会話の内容がとても良いですよ。
何だかんだで、わたしは宮崎駿さんがすきなのですよね。
分かりやすくファンシーな物語だからすき、ではなくて、その裏側には主義・思想・本人を突き動かす創作の狂気のようなものが根底にある(と思う。わたしは)ことにやっぱり強く興味を惹かれてしまう。
かといって、それらを第三者が謎解きしている動画を喜んで観るかというと、それはまた違うと思ったりして。
他人の解説を聞いて全てに明白な答えを得ると、感じることや考えることがなくなってしまうのではないか、と思っている今日この頃…。
なので映画解説の町山さんや宇多丸ししょーの話は大変に面白いのだが、ほどほどにね、自分(聴きすぎないように!)、と思っておるのよ~。
それにしても、
某二次創作の本の紹介コーナー
↓
「海辺の王国」
↓
「ブラッカムの爆撃機」
と、最初のきっかけ(たぶん高校生とか)から、現在に至るまでの、この繋がりがすごい。
逆に最初のきっかけがなかったら、「海辺の王国」とか読まなかっただろうな、と思いますしね。
ちなみに、その紹介コーナーでは他に、
- はてしない物語
- おやすみなさい、トムさん
- 飛ぶ教室
- 少年アリス
- 空色勾玉
などが載っておりました。
情報源が少ない当時、とにかく児童文学が読みたい!と思い、その紹介コーナーの本を悉く読んだのですが、物語として印象的だったのが「海辺の王国」だったのですよね(装丁は、それぞれの世界を色分けしていた赤い布張りの「はてしない物語」がダントツなのだが)。
「海辺の王国」は、
子供が過酷な環境へ放り出される(頼る大人が居ない状況に陥る)。
↓
時には他人の手を借りて、どうにか事態をやり過ごして行く。
↓
最終的には、保護をしてくれる身内と再会を果たす。
↓
身内たちは以前と同じように自分に接してくれるのだが、あまりにたくさんの経験をした主人公は、現在の自分と周囲との感覚のズレが埋められず息苦しさを感じる(そしてそこからも人生は続いて行く)。
というストーリーで、これって人生の中で何度か思い知ることで、そのたびにこの物語を思い出したりして。
宮崎駿さんすきとしては、印象的な物語を書いた同著者と、宮崎さんがコラボした本を発見できてうれしかったー、という喜びの記事なのです、これは。
(そいで宮崎駿さんの水彩画を見るたびに、こんなふうに描いてみたいと思うのだった…)
ウェストールさん、あなたの作品には、このムゴイ世界と戦い続ける勇気と、失われたものへの愛惜に満ちています、すてきです。
(宮崎駿)
宮崎さんをウェストールに会わせることができないことほど、残念なことはありません。
ロバート・ウェストールと宮崎駿監督は、あきらかに似たもの同士です。
(Lindy McKinnel)